· 

薬事法はもう古い!?薬機法は化粧品・健康食品を扱う企業が知っておくべき法律

コスメ・サプリのECサイト運営には専門知識が必須

誰もが自宅で気軽に買えるネットショッピングは、この先高い需要が見込める事業です。

人気が高まる中、これからそうしたeコマースに乗り出そうとしている企業や個人事業主は多いでしょう。

ただし、そんなときに必ず注意しなければならないのが法律です。

特にコスメ・サプリ関連は医薬品との違いを明確にしなければならない商材ですので、メーカーはもとよりECサイトの運営者は法律や規制を正しく理解する必要があります。

まったく悪気がなかったとしても、万が一法律に抵触するようなことがあれば、社会的信用が失われ取り返しのつかない状況にもなり得ます。

しかもそれは商品の品質にだけ注意を払っていれば良いものではなく、宣伝文句や説明文など「言葉の表現」一つで事態が大きく左右されるのです。

「知らなかった」「気づかなかった」では済まされないことですので、コスメやサプリを取り扱うなら、Webサイトの運営に法律知識は欠かせないと認識しておきましょう。

薬機法(旧薬事法)とはどんな法律か

「化粧品」のネットショップを運営する以上、薬機法(旧薬事法)の知識は必須です。

薬機法の正式名称は「医薬品、医療機器などの品質、有効性及び安全性の確保などに関する法律」ですが、関連商品の品質と有効性・安全性を確保するためにあります。

とても細かい定めがありますが、目的は保健衛生上、危害が発生したり拡大したりするのを防止することが一番です。

また指定薬物を規制するためだったり、医薬品関連の研究開発を促進するためだったりもします。

とはいえ、コスメもサプリもそもそも医薬品ではないし、関係ないのでは?と考えるかもしれません。

ところが実際には「医薬部外品」や「化粧品」についても定めがありますし、それが健康食品にも活用されているのです。

つまり、コスメもサプリも薬機法の定めには従う必要があり、事業者は必ず把握しておかなければならない法律といえます。

もしかすると「薬事法」という名前は聞き覚えがあっても「薬機法」はよく知らないという人は多いかもしれません。

薬機法は2014年(平成26年)に薬事法改正によって名称が変更されたもので、旧薬事法にあたります。

改正されたポイントはいろいろとありますが、安全性に関する規制が強化された点が事業者にとっては最も重要でしょう。

もちろん、広告規制もしっかり定められています。

薬機法が対象とする「化粧品」の定義とは

薬機法を理解するためには、法律上の「化粧品」の内容を理解しなければなりません。

法律上の表現は少々長々しいのですが、「人の身体を清潔にし、美化し、魅力を増し、容貌を変え、または皮膚若しくは毛髪を健やかに保つために、身体に塗擦、散布その他これらに類似する方法で使用されることが目的とされているもので、人体に対する作用が緩和なもの」とされています。(医薬品医療機器など法第2条第3項)

この定義であれば、かなり広範囲が該当することがわかるでしょう。

もちろんコスメに限らず、日常生活で使われるシャンプーや歯磨きなども該当します。

配合成分によっては医薬部外品扱いになりますが、そうならなくても、化粧品に該当するものをECサイトで扱う場合、薬機法に準拠する必要があるのです。

国民が誤解しないよう定められたルールなので、特にセールス表現には慎重にならなければなりません。

薬事法は1943年から長年使われてきた法律なので、いまだにこの名称のほうが一般に浸透しているのも無理はないでしょう。

2014年の改正は実に71年ぶりだったのですが、その理由は一般用医薬品をインターネット販売できるようにすることが大きかったといえます。

医薬品は病気の治療や診断、予防に使うのが目的であり、化粧品とは大きく異なります。

もちろん化粧品にはそうした強い効能がないからこそ、より安全に使えるわけですが、同じくECサイトに並ぶ以上、治療には使えないことを表記する必要が生まれたというわけです。

薬機法で禁止される広告表現とは

国民に誤解を与えないという意味において、化粧品を販売する際、薬機法で禁止される表現がいくつかあります。

基本的には厚生労働省が不適切な広告表現だと判断すればすべてNGとなりますが、簡単にいえば、化粧品が医薬品であるかのように見える表現が一切NGです。

病気が治療できる、予防できるというような表現はもちろんできませんが、有効成分から効果効能を暗示するのもNGとされます。

「〇〇(症状)を防止する〇〇(成分)を配合した」といった表現も化粧品には使えません。

ビフォー・アフター写真も当初NGでしたが、これは2017年に改正された医薬品等適正広告基準に準拠していれば、可能に変わりました(ただし、OKなビフォーアフター表現とNGなビフォーアフター表現があります)。

それでも効果効能、発現・持続時間、安全性の保証などは一切認められませんし、根拠のない表現も禁止です。

「絶対に治る」「絶対に安全」など、確かにパッと見ただけでも誇大広告と感じる表現ではありますが、こうした客観的根拠に欠けるものは禁止とされています。

難しくなるコスメ・サプリのWeb広告

ここまで読み進めてくれば、現在コスメやサプリの宣伝文句を作ることがどれほど難しいかが理解できるでしょう。

広告である以上、商品のクオリティや魅力をユーザーにしっかり伝えなければ意味がありませんが、法的に問題とされるような言葉選びは絶対にできません。

もちろんこれはWeb広告に限らず、あらゆるメディアにおける宣伝広告で同様にいえることです。

ただしWeb広告は、テレビCMのように一度作り込んでしまえば長期的に放映し続けられるようなものではなく、常に最新の情報を発信し続けることで効果を発揮する特徴があります。

そのため、最初はきちんと注意を払えていても、継続しているうちにチェックが甘くなり、ほころびが出てきたところでトラブルになりやすいのがWeb広告のリスクです。

たとえば「大人ニキビが消えます」「シミが改善します」といった表現は、よく目にする広告に感じられますが、薬機法的には化粧品では許されない表現となります。

そんなにがんじがらめでは何も発信できないと感じますが、そうした事業者のために医薬品等適正広告基準には化粧品の効能として許容される表現の記載もあります。

シャンプーなら「頭皮を健やかに保つ」化粧水なら「皮膚に潤いを与える」など使用できる表現もあるため、そうした基準に準拠して言葉を選ぶしかありません。

医薬部外品(薬用化粧品)であればもう少し効果効能を謳える部分も増えますが、医薬部外品として販売・広告するには厚生労働大臣の承認が必要です。

そもそも薬機法と解釈基準である医薬品等適正広告基準にある表現以上のことはできませんし、基準をクリアしつつ商品の魅力を最大限表わす言葉選びをすることになります。

難しいと感じたらプロフェッショナルのスキルを活用

コスメやサプリの宣伝は、実はとても難しいということが理解できたでしょう。

甘く考えると社会的信用を失う事態になりかねませんし、何より大切なユーザーに敬遠されてしまうのは一番の痛手です。

商品の確かな魅力をなんとかユーザーへ正しく伝えたい、興味を持ってもらって商品を好きになってもらいたいという、純粋な思いを抱えるECサイト運営者は多いでしょう。

そんなときには、やはり頼れるプロフェッショナルの力を借りるのが一番のおすすめです。

法律に準拠し、商品の魅力を最大限に伝え、説得力ある言葉選びができるプロフェッショナルはちゃんと存在します。

難しい広告に時間や労力を取られることなく、そこは専門家に任せて、ぜひ主業に注力してください。

運営者側にも一定の知識は必要ですが、それ以上の部分は任せるのが成功への一番の近道です。